シカゴの摩天楼を走る高架鉄道【2018.9】

 アメリカの代表する鉄道風景と言えば、荒野を走る長大な貨物列車、そして都市を走るMRT(Mass rapid transit)である。20世紀初頭には、ディズニーシーにあるようなエレクトリックレイルウェイの建設がニューヨークで始まっていた。その後、土木技術の発展と人口の増加に対応して、都市鉄道の主流は地下鉄へと舵が切られるようになる。

 

 しかし、シカゴにおいては中心部の環状線も含めて多くが高架として残っている。ビルの隙間を縫うように走る高架鉄道は魅力的な被写体であり、気が付けば海外の写真家がInstagramにアップロードした写真をもとに、撮影地探しに勤しんでいた。

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TRUMPタワーをバックに走るChicago 'L'(Adams/Wabash station)

 

 

 最終的には、構造技術者ファズラー・カーンが作った超高層建築を見てみたい、運河に多くかかる可動橋を撮影したいという目的も加わり、航空券を発券するに至った。

 

 Flight:成田(AA154)シカゴ 

 

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 環状線には様々な行先の列車が乗り入れており、タイミングが重なるとかなりの過密運転となる。無機質なステンレス車体が、ダイヤモンドクロスを行き交う姿は中々の迫力。

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 雨上がりの夕暮れ時。線路と車体のディティールが浮かび上がる。

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 こちらはMetraの車両基地。編集で特徴的な赤ストライプを強調してみた。朝は郊外から市内、夜は市内から郊外へ向かう一方通行ダイヤが徹底されており、昼間はこのように車庫の留置線が満杯になる。

 

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 高架鉄道超高層ビル・可動橋と好みの要素が凝縮された期待以上の都市だった。このあとは、Amtrakに乗って大陸横断鉄道の旅へと向かうことにした。